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「週刊文アル」vol.6は番外編です
(画像はゲーム本編より)
今週の週刊文アルは、文豪をもっと詳しく知ろう!と言う内容でお送りしたいと思います。
第一回は童話で有名なメルヘン(?)作家、「宮沢賢治」です。
ではさっそく、賢治について色々と学んでいきましょう(‘ω’)ノ
宮沢賢治のプロフィール
(画像は文アルwikiより)
まずはおなじみ、文アルのプロフィールから。
根っからのお人好しで「僕は平気!」と言って、自分よりもみんなが幸せになることを願う少年。
天真爛漫さが目立つがベジタリアンであったり、大人の絵本と称して春画を大量に所持していたりと意外にもませているところがある。
そのためか考え方を押し付ける支配的な大人には反発心を持っているようだ。
(『文豪とアルケミスト』宮沢賢治 図鑑ページより引用)
確かに実際、キャラとしては無邪気にはしゃぐかわいい子供であり、しかし自分よりもみんなの幸せを願う利他主義的なところもありといったセリフが多いですよね。
実際の宮沢賢治のプロフィールと比較してみます。
(画像はwikipediaより)
wikipediaの情報をざっくりとまとめると
名前:宮沢 賢治(みやざわ けんじ、正字: 宮澤 賢治)
生没年月日:1896年8月27日 – 1933年9月21日(享年37歳)
職業:日本の詩人、童話作家。
作品の特徴:仏教(法華経)信仰と農民生活を元にした作品の創作を行った。
故郷の岩手のモチーフとした理想郷「イーハトーブ」が有名。
賢治の作品は生きている間は評価されなかったが、彼の作品を評価し同人に誘うなどしていた草野心平らの布教活動によって国民的に愛されることとなる。
こんな感じですね。
若くして亡くなったため、また作品が純粋さやメルヘン的要素を持つ「童話」が多かったことから少年のキャラクターになったものと思われます。
実際、賢治は菜食主義でしたがそれは実は法華経に入ってからのことで、しかも盛岡高等農林学校(今の岩大)にいた間の5年間だけでした。
その後は一時普通の食生活に戻ったようですが、「羅須地人協会」という私塾を開いてからは粗食を続け、菜食主義を貫いたまま病気で亡くなったようです。
宮沢賢治の好物
(画像はゲーム本編より)
文アルの食堂で火曜・昼メニューに登場する天ぷらそば。
こちらは実際の賢治の好物です。
賢治は「藪屋(やぶや)」というそば屋がお気に入りで、エビ天の入った天ぷらそばを好んで食べていました。
また賢治はサイダーも大好きで、賢治が「一杯やろう」と言ったときはお酒ではなくサイダーを飲もうという意味だったとか。
当時、サイダーはかけそばの約4倍の値段でした(笑)
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宮沢賢治の有名な作品
宮沢賢治は誰もが親しみやすい「童話」を多く遺したため、作品の名前だけならたくさん知っているという方も多いのではないでしょうか(‘ω’)ノ
いくつか有名どころの作品を、ネタバレしつつご紹介しますね。
『銀河鉄道の夜』
賢治の作品で最も有名であろう物語。
文アルでも、賢治のマントの内側が星空であったり潜書での登場時や補修の際の台詞がこの作品に関連しています。
かなり宗教色の強い作品ですが、美しい世界観の描写と幸か不幸かわからない不思議なエンディングに魅力を感じる人は多いようです。
ざっくりとしたあらすじ
ジョバンニは父がなく、母は病気がちだった。
父は漁に出たはずだったが、監獄に入れられているのかもしれない。
ジョバンニは父がどこにいるか確かめるすべを持たなかった。そんなジョバンニはいつも友達からいじめられていた。
ケンタウル祭の夜、ジョバンニは気が付くと汽車に乗っていた。
いつの間にかすぐ前の席には、唯一ジョバンニをいじめなかった友人のカムパネルラが乗っていた。
二人は電車に乗ったまま、いろいろな場所や人を見た。
島に立った十字架、くるみの埋まった岩のある海岸、鳥をとる人、沈んだ船に乗っていた姉妹…。
ジョバンニが目を覚ますと、そこはいつもの丘の草の中だった。
カムパネルラは川に落ちた友人のザネリを助けるために川に入り、そのまま見つからなかった。
そこにいた博士が言うには、もうすぐジョバンニのお父さんは帰ってくるらしい。
ジョバンニは色んなことで胸がいっぱいで、母親のいる家へと駆けだした。
『やまなし』
国語の教科書に載っていた名作。
美しい水の描写と「クラムボン」という謎の存在が独特の世界観を生み出しています。
ざっくりとしたあらすじ
五月、蟹(かに)の子供らが「クラムボン」の話をしながら水底で遊んでいた。
水面には魚が泳いでいた。
その魚がかわせみに一瞬でとられ、子供たちはすっかり怯えてしまった。
白い樺の花びらが水面をすべってきたが、子供はまだ怯えている。
十二月、兄弟が泡を吐いてその大きさ比べをしていると、水面にやまなしが落ちてきた。
父親と兄弟は三人でその後を追っていくと、やまなしは木の枝に引っかかって止まった。
もう数日すると、やまなしは沈んできて熟した美味しい酒ができるだろう。
『雪渡り』
幼い兄弟と狐の話。
賢治の作品の中でも特に子供向けのように思います。
擬音語が多く使われており、リズムに乗って読める楽しい作品です。
ざっくりとしたあらすじ
四郎とかん子が雪沓(ゆきぐつ)を履いて野原に出ると、子ぎつねに会った。
きつねが言うには、きつねは人を騙したりはしないらしい。
きつねは紺三郎と名乗り、幻燈会のチケットをくれた。
月がのぼり、雪が凍った夜、四郎とかん子は幻燈会に出かけた。
森の中で酔っぱらった人間やきつねにまつわるいろいろな映像を見た二人は、きつねに出されたきび団子を信じて食べた。
するときつねたちは自分たちを信じてくれたことをとても喜び、涙を流した。
四郎とかん子はきつねたちにたくさんのお土産をもらい、野原に出たところで向こうから迎えの兄さんたちが来るのが見えた。
賢治のことをもっと知るなら花巻の「宮沢賢治記念館」へ
岩手県花巻市にある「宮沢賢治記念館」では、賢治自身について、また賢治の作品の世界観についてもっと詳しく知ることができます。
また記念館の近くには「宮沢賢治童話村」、「宮沢賢治イーハトーブ館」、「山猫軒」など賢治にまつわる建物が多くあるため、賢治について詳しく知るにはもってこいの場所となっています。
花巻市内には賢治の好物であった「天ぷらそばとサイダー」の組み合わせを取り扱う「やぶ屋総本店」や「嘉司屋(かじや)」といったおそば屋さんもあります。
ぜひ一度、賢治の生まれ育った理想郷岩手で賢治の作品に思いをはせてみてはいかがでしょうか(‘ω’)ノ
紹介した作品・場所のリンク